ちょいと前にある芸能人が平和を願うみたいな番組内の泣かせにきているような15分程度の原爆投下後の広島を再現したドラマに対して泣きながらそれらしい言葉を述べていた。

お涙ちょうだいと言わんばかりの感動を無理強いしている違和感に気持ち悪さを感じていると進行のアナウンサーが「ではスタジオに来ている広島の高校生の皆さんにも感想をお聞きしましょう」となって、当てられた一人の男の子がこう言った。
「僕はおばあちゃんから原爆の悲惨な話を聞いています。このドラマみたいに無理に感動させようとするのは違うと思います。僕はこの映像では泣けません」と言ったらその芸能人が
「なんでお前は泣かないんだ!!愛国心はないのか!
?お前は日本人じゃないのか!?日本人としての誇りはないのか!?この人達がいたから今の自分があるんだぞ!」
と怒鳴り散らして
その男の子は反論せずに黙ってしまった。

世代間で戦争に対する熱の差はある。
それはわかっている。
でも僕は高校生の子の勇気がすごいと思ったし
後にも先にも、もうきっとないけれど
その番組へ抗議の手紙を書いた。

徳光に関して言えば、
大きい声で人前で物を言えて
憚りなく人前で大粒の涙を流し
自分の意見を通そうとする悲しい人に思えた。
そういう独裁的な人の意見は通りやすい。
そして、テレビ的には使いやすいんだろうな。

もう一つ、最近テレビ番組で寿司屋をやっている海外の外国人相手に日本人の職人を派遣してバイトのふりをさせて何日か後に正体を明かし、本物の寿司を作って食べさせる、というくだらない番組があった。

へへっやっぱり海外の寿司屋はこんなもんか
と言わんばかりの悪意のあるアテレコとテロップの入った編集だった。
さすが日本だとでも思わせたいのだろうか。
やっぱり日本人最高!と言わせたいのか。

待ってくれ。
その店主は外国人であるあなた方スタッフに自分のお店の撮影を許可し、言葉の通じない人を雇い、仕事を教えてくれていたんじゃないのか?
もしくは海外の寿司職人までもがグルで
本物の寿司を作るところまでワンセットの
茶番劇なのか?
この番組を作っているのは民族主義者か?
どちらにしても下品なので
下ネタに謝ってほしい。

僕は愛国心が強制されない国の方が良い。

日本は好きだけど、
たまたまこの国で育った父と母が出会い
たまたまこの国で僕が生まれ
たまたまこの国の文化や法律や政治の中で
自分は生きている、だけだ。

より良い未来や平和への願いはある。
選挙権を持って投票もする。
でも投票しない権利だってある。

それをやらなければ大人じゃない
という考え方は危うい。
インテリぶった方々はその考えに縛られている
可能性はないかな。
もし、誰かを投票に行かせたいのなら
この国は今こういう状態で、こうしていった方がもっと平和で自由になるんじゃないかな?あなたはどう思う?と一人ずつ時間をかけて相手が考えるきっかけを渡す言葉やその人の意見をイライラせず、見下しもせず、向き合って話さなきゃいけないんじゃないかな。

愛国心なんて強制させなくても
無理に持たなくてもいいんだよ。

強制される国こそ
戦争に向かっている気が僕にはする。


長野県飯田市CANVAS。


16歳の頃に初めてライブを観たのも自作の曲を歌ったのも
このライブハウスだった。

ジャンル問わず、国内外問わず、音楽なら何でも。
偉大なミュージシャンをそこで何人も観た。

ジャズ、パンク、フュージョン、ブルース
フォーク、ロック、ポップス、ミクスチャー。
はたまた説法や三味線、何でもござれ。

高校生でお金がない僕に、ドリンク代の500円だけで
終電ギリギリまでの演奏をPAブースから観させてくれた。

そんな時に観た、ものすごく感動した記憶のある
ジャズピアニストの名前を知りたくて
その日に思い出して、そして思い立って
CANVASのマスターに電話をしたら
それは、Roland Hannaだとわかった。

20数年前にもうおじいちゃんだったRolandさんは
僕が観たすぐ後に2002年に亡くなっていた。
時間は進んでいるんだなって思う。

そこからどんどん枝が伸びて
当時の事がズバババーっと思い出された。

誰でも1人3曲までのオムニバスライブ。
Calling youや綺麗な女の人や
演奏が上手くいかず階段で泣いた事。

あの頃、オムニバスライブで歌う度に
すごいって言ってもらいたくて
新曲をバンバン作って演奏していた。

納得いく演奏なんてほとんど出来なかったけど
いつも向かう気持ちでライブし続けていた。

そんな思い出に耽っていると
その日の収録場所である
埼玉県越谷ごりごりハウスへ着いた。

そう、先日はドブロクが主催の
山のハム工房ゴーバルで行うはずだった
【秘境にて2021】がこのコロナ禍で中止になったので出演予定者の演奏とトークを一番組にして放送しようっていう収録だった。

自分の演奏収録が終わり
夜ハ短シが演奏している時に周りを観ると、
ドブロク自ら、ごりごりハウススタッフさん達とカメラや照明や手作りのセットを真剣に考えて何度も動かしたり考えたりしながら撮影に取り組んでいる光景を眺めていて
ん?あれ?ってびっくりした。

人の意見は関係なく
僕がカッコ良いって思うドブロクや夜ハ短シ。
そしてごりごりハウスのスタッフさん達の心意気。
とってもグッド音楽。そしてグッド音楽茶屋。
こういう人達と一緒に自分が何かをやれている事に驚いた。

高校生の頃からはじまった僕の音楽活動。
いつか武道館だ!テレビだ!ラジオだ!なんて思ってはいたけれど、自分が本当に進んできた道は自分が思う良い音楽を作って良いライブをメンバーとする事、自分が素敵だと思う人達とのライブを大切にする事。

その先に大きなステージがあったら
それはとても嬉しい事だけど
今はその心に集中する覚悟を
あらためて感じさせてくれた。
とても、感謝しています。

CANVASの階段で泣いていた僕の延長線上が
今、ここなんだ。
そんなにわるくないじゃん。

主催のドブロク
音楽茶屋ごりごりハウス
収録日が一緒だった夜ハ短シ
ずっと地元にあるCANVAS。

本当に、ありがとう。

帰りの車でRoland Hanna Trioの軽快なジャズを
聴きながら、色んな事に想いを馳せて
夜の道を走っていた。

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「俺は有名人や業界人にとても弱くって
目の前にすると媚びるようにヘラヘラして
友達な奴でも有名人になっちゃうと
急に意識しちゃって変な感じになって
そんな自分がすごく嫌なんだ」

誰かと会話している時にこんな風に話した。

メジャーへ行った友人は結構いる。
そうなると連絡が思うように取れなくなり
疎遠になっていってしまう。

きっと忙しさもあるんだろうけど
新しい場所で成長や成熟していく中
そんな中での同意識やそれ以上の人達と
新しい交友関係ができたりしているんだろうなー
なんて応援の気持ちはいっぱいあるのだけど
胸に秘めたやっかみなのか寂さなのか
そんな感情がミルフィーユ状に何層にもなって
自分への焦りも相まって重くのしかかってくる。

そりゃそうだ。

こんな状態の奴の隣にはいられない。
そりゃ疎遠になるのはわかる。
勝手にこう思っている奴の隣は居心地が悪い。

考えすぎかも?
今いつもの変な空気が溢れ出してる?
こんな俺が自意識過剰なんじゃないか?

とやっぱりぐるぐるぐるぐる考えてしまい
恋心に気づいてしまった少年のように
普通に接する事が出来なくなってしまう。

俺が有名人で業界人になったら
解決するのだろうか。

きっと自分で決めた道をしっかり歩いて
結果が出てきたらこんな事はなくなるんだろう。

情けない。
情けないけれど意識しちゃう。
これはもう彼らに憧れているんだ。

メジャーでがんばっている友人達へ

変な風になって、ごめん。
俺、こういうところがダサい。

まずは確定申告がんばるよ。

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